朝日大学歯学部口腔構造機能発育学講座小児歯科学分野
診療科長/教授 齊藤 一誠
朝日大学小児歯科学分野は初代教授吉田定宏先生、長坂信夫先生、田村康夫先生から飯沼光生先生へと受け継がれた歴史ある教室で、お子様の健康増進をお口からアプローチする専門集団として、生後間もない赤ちゃんから大人の歯が生えそろった成人期まで、お子様に降りかかる様々なお口のトラブルに、専門的な知識をフル活用しながら最適かつ安全な歯科治療を提供することを目指して、日々研鑽を重ねております。これからも岐阜県および近隣の県や市町村の行政機関や歯科医師会、および関連する医科と緊密な連携を図り、地域小児歯科医療の発展に貢献いたします。
大学は臨床を実践するだけでなく、研究・教育を行う機関でもあります。科学や臨床の発展には、基礎研究と臨床研究は必要不可欠ですが、それらを生み出す原動力は人材です。また、学部・大学院教育はその学生の生涯学習の基盤、さらには人生観にも影響を与えます。我々は、学部教育において早期に歯科医療人としての自覚と心得を育み、多様なニーズに対応できる歯科医師を養成し、その後、シームレスに続く充実した専門医教育と大学院教育を経て、最終的には国内外の幅広い分野で活躍できる人材を養成していきます。そのためこれらの教育においては、小児の口腔育成に関するスペシャリストが集い、臨床と研究の両側面から若手歯科医師の教育を実践していきます。
我々は、お子様の健康増進のための先進的な診療体系を構築するための臨床研究を推進しています。その1つを紹介させてもらうと、小児期の「お口ぽかん」の疫学調査結果を公表しましたところ、この記事がプレスリリースされ、テレビ東京(https://youtu.be/JTU7aRHr1Fc)、フジテレビやCBCラジオなど、多くのメディアから注目されました。また、我々の研究成果の一部が、平成30年度の診療報酬「小児口腔機能管理加算」や令和2年度の「小児口唇閉鎖力測定」の保険収載へ繋がっております。今後も保険収載・先進医療を目指した臨床研究を進めて参ります。また、乳歯を医療資源として有効利用する基礎研究も推進しています。乳歯歯髄細胞からヒト膵幹細胞の生成に成功しました。この成果により、1型糖尿病患児の乳歯からインスリン産生細胞を生成するテーラーメイド医療が可能となります。
最後に我々は、岐阜県内のお子様はもちろん、東海地区のお子様のお口のトラブルに広く対応し、小児歯科医療の水準の向上と、さらには全国のお子様の健康増進に役立つように努めて参ります。また、小児の口腔育成を総合的に管理できる小児歯科専門医を目指す全国の若手ドクターおよび学生諸君を広く受け入れますので、気軽にお問い合わせください。
以上より、我々は下記に挙げる項目を重点的に推進していく所存です。
- お子様の健康増進をお口からアプローチ
- お子様のニーズに合わせた歯科治療の実践とトータルでベストな小児歯科医療の実践
- 一生の財産として、子ども達が成人期や高齢期を迎えた時にも、健康で豊かな人生を送るための基盤となる小児歯科医療を実践
- お子様の健康増進のための先進的で新たな診療体系を構築するための臨床研究を推進し、最終的には保険収載・先進医療を目指す
- 乳歯を医療資源として有効活用する基礎研究の推進
- 全国でも数少ない高度で総合的な小児歯科専門医教育機関として人材を育成